長時間のパソコン作業やスマートフォンの使用により、目の疲れを感じる方は少なくありません。実は、その原因の一つに「照明」が関係している場合があります。
本記事では、目が疲れにくい照明の選び方や北欧照明の考え方を解説しながら、おすすめのブランドや代表的なモデルをご紹介します。
- 眼精疲労を防ぐ照明選びの3条件
- 目の負担を軽減し、空間の質を高める北欧式の照明術「一室多灯」
- テレワークや寝室など、シーン別におすすめの目が疲れない照明ブランドと代表モデル
目次
1. 目に優しい照明の条件とは?押さえるべき3つのポイント

適切でない光は、無意識のうちに目へ負担をかけ、眼精疲労や肩こりの原因となることがあります。目に優しい光環境をつくるためには、光源が直接目に入らない「グレアの少なさ」、用途に合わせた「色温度」、そして必要な場所に必要な明るさを確保する「一室多灯の考え方」を意識することが大切です。
1-1. 眩しさを防ぐ「グレアフリー」設計

照明選びで特に注意したいのが「グレア(不快な眩しさ)」です。光源(電球など)が直接目に入ると、瞳孔が収縮し、目の筋肉に負担がかかります。
これを防ぐ設計思想が「グレアフリー」です。光源をシェード(傘)で覆い、光を反射・拡散させてから空間に届けることで、目に優しい柔らかな光になります。座った位置から電球が直接見えない構造のデスクライトやペンダントライトを選ぶことが、目を守る第一歩です。
1-2. 用途にあわせた「色温度」の基準

光の色合いを表す「色温度(ケルビン:K)」も、快適な視環境をつくるうえで重要な要素です。
日本のデスクライトには、5000〜6000K程度の白っぽい光を採用した製品が多く見られます。文字や資料を見やすくするメリットがある一方で、光が強すぎたり、長時間使用したりすると、人によっては眩しさを感じることもあります。
一方、北欧を代表する照明メーカーの製品には、2700〜3000K程度の暖かみのある光が多く採用されています。暖かみのある光はリラックスしやすく、長時間過ごす空間にも取り入れやすいのが特徴です。もし眼精疲労を感じているようでしたら、明るさだけでなく、色温度にも目を向けてみると良いかもしれません。
1-3. 必要な場所に必要な明るさを確保する
3つ目は、照明を選ぶ際に一番大切なポイントとなる「必要な場所に必要な光を届ける」という考え方です。
日本ではシーリングライト1台で部屋全体を均一に明るく照らすことが一般的ですが、北欧では複数の照明を組み合わせながら、必要な場所に必要な明るさをつくる「一室多灯」という考え方が根付いています。

例えば、読書やパソコン作業をする場所にはタスクライトを、ソファでくつろぐ場所にはフロアランプやテーブルランプを配置することで、それぞれの用途に適した明るさを確保することができます。
部屋全体を白っぽい光で明るくするのではなく、必要な場所を心地よく照らすことで、目への負担を抑えながら快適に過ごすことができます。
2. 目に優しい光環境を作る「北欧デザイン」の思想
目に優しい照明について考えるうえで欠かせないのが、北欧の照明文化です。北欧では照明を単に部屋を明るくするための道具ではなく、暮らしの質を高める存在として考えています。
2-1. 「夜は昼にはならない」──時間に寄り添う北欧の光
PH5をはじめ数多くの名作照明をデザインしたポール・ヘニングセンは、「夜は昼にはならない」という言葉を残しています。
これは、夜を昼のように煌々と明るくするのではなく、「夜は暗いもの」として受け入れ、陰影や温かみのある灯りを楽しむという考え方です。
夜になっても昼間のような白く強い光に囲まれていると、知らず知らずのうちに目や心へ負担をかけてしまうことがあります。
時間の流れに逆らわず、朝・昼・夜それぞれにふさわしい光で過ごすこと。それこそが、ヘニングセンの照明デザインの根底にあり、今も北欧照明に受け継がれている考え方なのです。
2-2. 心地よさを生む「光のレイヤー」
北欧では、一つの照明だけで空間全体を照らすのではなく、ペンダントライト・テーブルランプ・フロアランプなどを組み合わせながら光の層(レイヤー)をつくります。

食事をする場所にはペンダントライト、本を読む場所にはテーブルランプ、ソファでくつろぐ場所にはフロアランプというように、用途に応じて光を配置することで、必要な場所に必要な明るさを確保できます。
空間全体を均一に明るくするのではなく、明るい場所と少し暗い場所をつくることで、目への負担を抑えながら落ち着きのある空間を演出することができます。
3. 【シーン別】目が疲れない照明のおすすめ|北欧・欧州ブランドの代表モデル

ここからは、正規代理店である当店が取り扱うブランドの中から、シーン別におすすめのモデルを紹介します。なお、louis poulsen・LE KLINT・Audo Copenhagenは北欧デンマーク発のブランド、FLOSはイタリア発のブランドです。
3-1. louis poulsen(ルイスポールセン)|グレアフリー設計が際立つダイニング空間

デンマークの老舗ブランドであるルイスポールセンは、グレアフリー設計の先駆者として知られています。代表作であるペンダントライト「PH 5」は、対数螺旋のカーブを持つ3枚のシェードを組み合わせ、どの角度から見ても電球が直接目に入りにくい、高度なグレアフリー設計を実現しています。
ダイニングテーブルに吊るせば、手元を明るく照らしながらも、不快な眩しさを感じにくい設計です。ダイニングでのテレワークや読書にも適しており、デザイン性と実用性を兼ね備えた照明です。
3-2. LE KLINT(レ・クリント)|リビングを包み込む柔らかな陰影

デンマーク発のレ・クリントは、難燃性PE樹脂シートを職人が手で折り上げるプリーツ状のシェードが特徴です。「172」などのペンダントライトは、電球の強い光を適度に透過・拡散し、空間に温かみのある光を広げます。
直接的な眩しさが和らげられるため、リビングの主照明や、ソファサイドのフロアランプとして配置することで、リラックスしやすい、目に優しい空間を作れます。
3-3. FLOS(フロス)|ワークスペースの集中力を高める均一な光

1962年にイタリアで創業したFLOSは、革新的なデザインと技術を融合させたブランドです。デスクライト「Kelvin Edge(ケルビン エッジ)」シリーズは、書斎やワークスペースでの使用に適しています。
緻密な光学設計により、手元の作業領域をピンポイントかつ均一に照らします。モニター画面と周囲の極端な明暗差を抑え、不快な反射光を防ぐ工夫が施されているため、長時間のパソコン作業でも目の負担を軽減できます。
3-4. Audo Copenhagen(オドー・コペンハーゲン)|寝室を静寂で満たす癒やしの光

デンマーク発のオドー・コペンハーゲンは、北欧のミニマリズムと洗練されたデザインが魅力です。代表的な「Carrie(キャリー)ポータブルランプ」は、装飾を抑えたシンプルなシルエットから、穏やかな光を放ちます。
電球色系の落ち着いた色温度のため、就寝前のリラックスタイムに適した、目に優しい設計です。寝室のナイトスタンドとして配置すれば、落ち着いた雰囲気の空間を演出できます。
まとめ

目に優しい照明は、眼精疲労の軽減につながり、暮らしの質を高める要素の一つです。まずはご自宅の照明の「電球が直接目に入っていないか」「明るすぎないか」を見直すところから始めてみてはいかがでしょうか。グレアフリー設計の照明を取り入れ、快適な光環境づくりへの第一歩を踏み出してみてください。

