ルイスポールセン「PH5 クラシックホワイト」の魅力とは?モダン・モノクロームとの違いも解説

ルイスポールセン「PH5 クラシックホワイト」の魅力とは?モダン・モノクロームとの違いも解説

ルイスポールセン「PH5 クラシックホワイト」は、内部の赤・青リフレクターによる光の演色性(スペクトルバランス)の補正機能を備えた、1958年発表のペンダントライトです。本記事では、クラシックホワイト・モダンホワイト・モノクロームホワイトの3モデルの違いと、日本の住宅に合わせた設置方法を解説します。

この記事でわかること
  • 3つのホワイトカラーの違い:クラシックホワイトは内部の赤・青のリフレクターで光のスペクトルバランスを補正し自然な演色性を実現し、モダンホワイトとモノクロームホワイトはそれぞれ暖色の光と光源本来の色を特徴とする。
  • 美しく設置する高さの基準:グレアフリー効果を発揮するには、テーブル天板からシェード下端までの高さをルイスポールセン公式推奨の55〜70cmの範囲で設定し、日本の住宅事情に合わせて事前のコードカットやダクトレールを活用する。
  • 購入時の注意点:リプロダクト品では光の演色性補正が再現されないため、メーカー正規保証やコードカット加工に対応した正規販売店での購入が推奨される。

目次

1. ルイスポールセン「PH5 クラシックホワイト」が長年支持される理由

1-1. 「対数螺旋」を応用したシェードのフォルム

PH5 モノクロームホワイト | Shinc lab.納品事例

ルイスポールセン(Louis Poulsen)の「PH5」は、1958年の発表以来、60年以上にわたり販売が継続されているペンダントライトです※1。その設計上の特徴は、巻貝のカーブや植物の成長パターンに見られる「対数螺旋(たいすうらせん)」という数学的カーブを応用したシェードのフォルムにあります。

PH5 モノクロームホワイト | ルイスポールセン

デンマークの建築家・照明デザイナーであるポール・ヘニングセン(Poul Henningsen)は、「美しく、かつ目に優しい光を創り出す方法」を生涯のテーマとして研究を重ねました。1950年代当時、白熱電球の形状やサイズがメーカーによって多様化し、光の質が安定しないという課題がありました。ヘニングセンは、電球の種類に左右されず光の質を維持できるペンダントライトの開発に着手しました。

対数螺旋の形状を採用することで、光がシェード内側のどの角度から当たっても同じ角度で反射し、下方へ柔らかく光が広がります。発表から60年以上が経過した現在も、デザインの変更なく販売が続いています。

1-2. まぶしさを防ぐ「グレアフリー」設計

PH5 モノクロームホワイト | ルイスポールセン

PH5の主要な特徴の一つが「グレアフリー(まぶしさのない光)」の設計思想です。一般的なシーリングライトや裸電球のペンダントライトは、下から見上げると光源の光が直接目に入り、まぶしさ(グレア)を感じる場合があります。しかし、PH5は大きさの異なる3枚のシェードを組み合わせた構造により、ルイスポールセン公式推奨の高さ(テーブル天板から60〜70cm)で設置した場合、着席時の視点から光源が直接見えない設計になっています。

PH5 クラシックホワイト | Shinc lab.納品事例

電球から放たれた光は、各シェードの内側で反射を繰り返し、柔らかく拡散されながら下方を照らします。同時に、シェードの隙間から漏れる光が器具全体をほんのりと照らし、照明器具そのものが発光しているような印象を生み出します。

拡散された光は、食卓の料理の色味を自然に再現します。また、着席者の顔に柔らかい陰影を生み、直接光による強いコントラストを抑えます。PH5は、部屋全体を均一に照らすのではなく、食卓周辺に光を集中させることで、北欧の「ヒュッゲ(居心地の良い空間・時間)」の考え方に基づいた空間を作る設計です。

2. クラシックホワイトの光の仕組み

2-1. 赤と青のリフレクターが自然な演色性を実現する

PH5 クラシックホワイト | Shinc lab.納品事例

カラーバリエーションの中でも、発表当時のオリジナルデザインに最も近い仕様が「クラシックホワイト」です。このモデルの特徴は、シェード内部に配置された青色(ブルー)と赤色(レッド)のリフレクターによる光の演色性(スペクトルバランス)の補正機能です。

PH5 クラシックホワイト | Shinc lab.納品事例

人間の目は、光の波長(スペクトル)の中で緑色や黄色の光に対する感度が高い特性を持ちます(比視感度)。白熱電球の光にこれらの波長が偏ると、照らされた物の色再現性が低下します。ヘニングセンは、赤と青の光をリフレクターの反射によって補い、緑と黄色の光を和らげるという色彩工学的なアプローチをとりました。

この補正により、太陽光に近い色バランスの光を実現しています。クラシックホワイトは、この演色性設計によって、ダイニングテーブル上の料理の色味や人肌の色を自然に再現します。

2-2. 多様なインテリアに合う落ち着いたマット塗装の質感

PH5 クラシックホワイト | Shinc lab.納品事例

クラシックホワイトの表面は、光沢を抑えたしっとりとしたマット塗装で仕上げられています。完全にツヤを消し切ったモノクロームホワイトと比較すると、クラシックホワイトはわずかに光を孕むような、柔らかな光沢感を残しているのが特徴です。

光沢の強い照明は周囲の景色を反射して器具自体が目立ちすぎる場合がありますが、絶妙な質感のクラシックホワイトは日中の自然光を優しく受け止め、消灯時にも空間に落ち着きを与えます。

PH5 クラシックホワイト | Shinc lab.納品事例

インテリアへの馴染みやすさ
北欧モダンやナチュラルテイストはもちろん、ヴィンテージ家具や日本の和室まで、幅広いスタイルに調和します。また、シェードを繋ぐ固定金具(スペーサー)に採用された藤紫色(パープル)が、マットな白の中でさりげないアクセントとなり、名作ならではの品格を添えています。

3. 3種類の「白いPH5」の違いと選び方

「白いPH5」には「クラシックホワイト」「モダンホワイト」「モノクロームホワイト」の3種類があります。3モデルとも外観は白色のシェードですが、内部のリフレクター色と固定金具の色が異なり、点灯時の光の色味に違いがあります。

PH5 クラシックホワイト | Shinc lab.納品事例

PH5 クラシックホワイト | Shinc lab.納品事例

3-1. クラシックホワイト:自然な演色性の補正を備えた基本モデル

リフレクター(反射板)の色:ブルー&レッド
固定金具(スペーサー)の色:パープル
光の印象:太陽光に近い、自然な色バランスの光。赤と青の反射によって光のスペクトルバランスが補正され、料理や人の肌の色を自然に再現する効果があります。

推奨インテリア:北欧インテリア、和洋を問わないダイニング空間。発表当時のオリジナル設計に最も近い仕様です。

PH5 モダンホワイト | Shinc lab.納品事例

PH5 モダンホワイト | Shinc lab.納品事例

3-2. モダンホワイト:ローズ色の反射板による暖色系の光

リフレクター(反射板)の色:ローズ(淡いピンク)
固定金具(スペーサー)の色:ブロンズ
光の印象:クラシックホワイトに比べてわずかに赤みを帯びた、柔らかい印象の光。暖色に寄るため、空間全体に温もりをもたらします。

推奨インテリア:木目の美しいナチュラルテイストの家具。寝室・リビングなどくつろぎの空間に適しています。

PH5 モノクロームホワイト | ルイスポールセン

PH5 モノクロームホワイト | ルイスポールセン

3-3. モノクロームホワイト:光源の色をそのまま活かすミニマルな設計

リフレクター(反射板)の色:なし(内部まですべて純白)
固定金具(スペーサー)の色:ホワイト(マット塗装)
光の印象:リフレクターによる色の補正がないため、光源(電球)の色がそのまま空間に広がります。全体的にクラシック・モダンに比べると少しマットな質感です。

推奨インテリア:白を基調としたシンプルモダンな空間、モノトーンインテリア。PH5の造形を際立たせたい方に適しています。

4. PH5をダイニングに設置する際の2つのポイント

PH5の機能を十分に発揮するには、「吊るす高さ」と「設置のバランス」が重要です。

4-1. テーブル天板から60〜70cmの高さがグレアフリーを実現する

PH5 ペンダントライト 高さ | ルイスポールセンルイスポールセンが公式に推奨する、PH5をダイニングテーブルの上に吊るす際の高さは、「テーブルの天板からシェードの下端までが60〜70cm」です。

日本の住宅ではシーリングライトが一般的なため、この高さは低く感じる場合があります。しかし、この範囲はメーカーがグレアフリー効果を最大化するために設定した推奨値です。

この高さに設定すると、テーブル全体に十分な明るさが広がりながらも、着席した人の視界に光源が直接入りません。対面する人の顔に柔らかな光が当たる空間が生まれます。食卓周辺に光を集中させる手法は、北欧の照明設計における基本的な考え方です。

4-2. コードカットとダクトレールで理想の配置を実現する

PH5 クラシックホワイト | Shinc lab.納品事例

推奨高さを実現するには、事前の調整が必要です。特に正規店での「コードカット加工」を依頼する場合、コード単体ではなく照明器具を含む「全長」で指定する必要があります。日本の一般的な住宅(天井高 約240cm)を例に、全長の算出方法を見てみましょう。

【器具全長の算出方法】
天井高(240cm) - テーブル高(72cm) - 推奨高の中央値(65cm) = 指定すべき全長:約103cm

※全長とは、天井の引掛シーリングからシェード下端までの長さです。
※PH5の標準全長は191cmあるため、そのまま吊るすとテーブルに届いてしまいます。

余ったコードを結んで放置すると、照明器具の美しいシルエットが崩れる原因になります。理想の空間を作るために、以下の方法を検討してください。

PH5 ダクトプラグ仕様 | Shinc lab.納品事例

  • コードカットの活用:購入時に「全長」を正確に伝え、専門業者によるカット加工を依頼するのが最も美しく仕上がります。または、フランジカバー内にコードを収納して調整してください。
  • ダクトレールの活用:テーブルと電源位置がずれている場合は、「簡易取付式ダクトレール」と専用の変換プラグを活用しましょう。照明の位置をテーブル中央へスライドさせ、適切な配置が可能になります。

5. 長く使用するためのお手入れと購入時の注意点

5-1. 日常のメンテナンス方法

PH5 メンテナンス | Shinc lab.

基本のお手入れ:柔らかいマイクロファイバークロスや羽ばたき(ダスター)で、シェード表面のホコリを払い落とします。

汚れが気になる場合:ダイニングで使用する場合、料理の油煙が付着することがあります。その際は、中性洗剤を薄めたぬるま湯に柔らかい布を浸し、固く絞ってから汚れを拭き取ってください。その後、乾いた布で水気を完全に拭き取ります。

避けるべきケア:アルコール、シンナー、ベンジンなどの揮発性溶剤や、研磨剤入りのクレンザー・スポンジは使用しないでください。マット塗装の剥離や変色の原因になります。また、内部は複雑な構造のため、無理に分解して掃除することは避けてください。

5-2. 正規品と非正規品の違いと、正規販売店で購入するメリット

PH5 クラシックホワイト | ルイスポールセン

知名度の高い製品であるため、インターネット上にはPH5の意匠を模倣した「リプロダクト品」や非正規品が流通しています。

正規品で採用されているシェードの角度設計や演色性(スペクトルバランス)の補正が再現されていない場合が多く、グレアフリー効果や光の質が正規品と異なります。また、塗装の黄ばみや劣化が早期に発生する事例も報告されています。

まとめ:PH5クラシックホワイトの特徴と選び方の要点

PH5 クラシックホワイト | Shinc lab.納品事例ルイスポールセンの「PH5 クラシックホワイト」は、対数螺旋のフォルムと赤・青のリフレクターによる演色性(スペクトルバランス)の補正機能を備えたペンダントライトです。ダイニングの光環境を改善し、料理や人肌の色を自然に再現します。

モダンホワイトやモノクロームホワイトとの違いを理解し、自身のインテリアや好みの光の色味に合ったカラーを選ぶこと、そしてルイスポールセン公式推奨の60〜70cmの範囲で設置することで、設計どおりの性能を発揮できます。

日常的に使用する照明の質を見直すことは、住環境の改善につながります。リプロダクト品のリスクを避け、正規販売店を通じて、製品の品質とサポートが保証された状態で購入することを推奨します。

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この記事を書いた人

宗形 裕美

宗形 裕美
株式会社シンクラボ EC事業部マネージャー

Shinc lab.のEC担当として、オンラインショップ運営や商品ページ改善、読み物コンテンツの制作に携わっています。インテリアが好きで、日々「暮らしに馴染むもの」を探求中。子育てをしながらの生活目線も大切に、買って終わりではなく“使い続けたくなる”視点で、選び方や楽しみ方をわかりやすくお届けします。

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