テーブルよりも、椅子にこだわってみませんか?
ダイニングセットを見に来られたお客様とお話ししていると、「テーブルはもう決めていて、椅子はそれに合うものを選ぼうかなと思って」という言葉をよく聞きます。
テーブルは部屋の中でも大きく、目に入りやすい家具ですから、とても自然な選び方だと思います。

でも私は、そんなときに少しだけ「椅子のほうも、ゆっくり座ってみませんか?」とお声がけしています。毎日の暮らしの中で、実際に体を預けているのは椅子のほうだからです。
毎日、体を預けているのは椅子のほう
朝ごはん、子どもの宿題、在宅のお仕事、食後のお茶の時間。ダイニングの椅子には、一日のうちに何度も、ときには何時間も座っています。
テーブルは「眺める」ことの多い家具、椅子は「体で使う」家具。だからこそ、見た目と同じくらい座り心地も大切にしてほしいと思っています。

有名なデザインかどうかより先に、まずは「自分の体に本当に合うかな?」と、体の感覚を確かめてみる。椅子選びは、そこから始めてもいいと思うんです。
高さは「テーブルと椅子のあいだ」で考える
テーブルの天板と椅子の座面の高さの差を「差尺(さじゃく)」といいます。体格や椅子の形状によっても変わりますが、一般的には27〜30cm前後がひとつの目安です。
ただ、数字はあくまで入り口。座ったときに足が自然に床につくか、肩に力が入らないか、テーブルに手を置いたときに無理のない姿勢になっているか。そんな感覚も大切です。
家族みんな、同じ椅子じゃなくてもいい
家族では身長も体格も違います。背の高い方にちょうどいい椅子が、小柄な方やお子さんには少し大きいこともあります。
全員が同じ椅子でなくても大丈夫。それぞれが自分に合う椅子を選び、素材や色、木の種類などに共通点を持たせれば、違うデザインの椅子でも自然にまとまります。

テーブルとの「相性」も大切
椅子単体では素敵でも、テーブルと合わせたときに気づくことがあります。
アームが天板の下に収まるか、幕板や引き出しに脚やももが当たらないか、テーブルの脚と脚の間に椅子が収まるか。クッション性のある椅子なら、座ったときの沈み込みも含めて高さを確認します。

実際に座って確かめてみる
椅子を選ぶときは、ほんの数秒座って終わりにせず、少しゆっくり座ってみてください。
足の裏が床についているか、座面の前側がももの裏に強く当たっていないか、背もたれが自然に体を支えてくれるか。そして、立ち上がるときに無理がないか。できればご家族みなさんで座ってみると、同じ椅子でも感じ方が違うことに気づくと思います。
家づくりの段階から、家具のことも少しだけ

これから家を建てる方には、間取りを考えている段階から「ダイニングにどんな椅子を何脚置きたいか」を少しだけ想像してみることもおすすめしています。椅子を引くためのスペースやテーブルのサイズ、照明の位置など、家具と家を一緒に考えることで、暮らし始めてからの使いやすさも変わってきます。
さいごに
テーブルから選ぶのが正解、椅子から選ぶのが正解、という決まりはありません。お気に入りのテーブルから決めるのも、もちろん素敵な選び方です。
でも、もし椅子選びで迷ったら、「この椅子に、毎日座りたいかな?」「ここで家族とどんな時間を過ごしたいかな?」と考えてみてください。座り心地は、写真や数字だけではなかなか分かりません。Shinc lab.でも、ぜひ何脚かゆっくり座り比べながら、ご自身やご家族にとっての「心地いい一脚」を探してみてください。

WRITER
ひたちなか店 店長 廣瀬千笑
ひたちなか店店長。3人の子どもを育てる母であり、整理収納アドバイザーの資格を持つ。子育て経験を活かし、収納や使いやすさにも配慮した家具選び・空間づくりをご提案。見た目の美しさと暮らしやすさを両立した、家族みんなが心地よく過ごせる住まいづくりを大切にしています。
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